2026年9月04日

「歩くと膝の内側が痛い」
「階段の上り下りでズキッとする」
「膝の内側を押すと痛い」
このような症状で受診される方は少なくありません。
膝の内側の痛みというと「変形性膝関節症」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、同じような場所が痛くても、半月板損傷や鵞足炎など別の原因が隠れていることがあります。
今回は、膝の内側が痛くなる主な原因と、その違いについて膝専門医が解説します。
膝の内側が痛くなる主な原因
膝の内側には、関節軟骨だけでなく、半月板、靱帯、腱などさまざまな組織があります。
代表的な原因には、
・変形性膝関節症
・内側半月板損傷
・鵞足炎
・内側側副靱帯損傷
・軟骨や骨の異常
などがあります。
特に中高年の方で多いのが、変形性膝関節症と内側半月板損傷です。
① 変形性膝関節症
変形性膝関節症は、関節軟骨や半月板などに変性が起こり、徐々に膝関節に変化が生じる病気です。
日本人では膝の内側に変化が強く現れることが多く、
・立ち上がるときに痛い
・歩き始めに痛い
・長く歩くと痛い
・階段の上り下りで痛い
といった症状がみられます。
進行すると、膝に水がたまったり、O脚が目立ったり、曲げ伸ばしがしにくくなったりすることもあります。
診断では、立った状態で撮影するレントゲンで、関節の隙間や骨の変化、膝の変形などを確認します。
変形性ひざ関節症について詳しくはこちら。
② 内側半月板損傷
半月板は、大腿骨と脛骨の間にあるクッションのような組織です。
スポーツなどで膝をひねって損傷することもありますが、中高年では加齢に伴って半月板が変性し、はっきりしたケガがなくても損傷することがあります。
代表的な症状は、
・膝の内側がピンポイントで痛い
・深く曲げると痛い
・しゃがむと痛い
・膝をひねると痛い
・曲げ伸ばしで引っかかる
・膝に水がたまる
などです。
半月板はレントゲンには写らないため、半月板損傷が疑われる場合にはMRIが有用です。
変形性膝関節症と半月板損傷の違いは?
一般的には、変形性膝関節症では歩き始めや歩行、階段などで痛みが出やすく、半月板損傷ではしゃがむ、ひねるといった動作で痛みや引っかかりを感じることがあります。
ただし、実際には変形性膝関節症と半月板損傷が同時に存在することも珍しくありません。
また、MRIで半月板損傷が見つかっても、それが必ずしも痛みの原因とは限りません。
画像だけで判断せず、**「どこが痛いのか」「どの動作で痛むのか」「画像所見と症状が一致しているか」**を総合的に評価することが重要です。
膝の内側でも少し下が痛い「鵞足炎」
膝の内側でも、関節より少し下を押して痛い場合には「鵞足炎(がそくえん)」の可能性があります。
ランニングやスポーツなどによる繰り返しの負荷で炎症を起こすことがあり、変形性膝関節症や半月板損傷と痛む場所が近いため、区別が難しいこともあります。
レントゲンでは悪くないのに痛いことも
「レントゲンではそれほど悪くないと言われたのに、膝の内側が痛い」という方もいます。
膝の痛みは、必ずしもレントゲン上の変形の程度だけで決まるわけではありません。
レントゲンでは評価しにくい半月板損傷、軟骨損傷、骨髄病変(BML)、滑膜炎などが痛みに関係していることもあります。
症状とレントゲン所見が一致しない場合には、MRIを追加することで原因が見えてくることがあります。
膝の内側の痛みが続く場合はご相談ください
膝の内側が痛む原因は、変形性膝関節症だけではありません。
半月板損傷や鵞足炎、軟骨・骨の異常など、さまざまな原因が考えられます。
特に、
・痛みがなかなか改善しない
・膝に水が繰り返したまる
・引っかかりがある
・膝が伸びきらない
・レントゲンではそれほど悪くないと言われたのに痛い
といった場合には、一度詳しく評価することをおすすめします。
目黒ひざ&形成外科クリニックでは、膝を専門とする整形外科医が診察を行い、レントゲンや必要に応じてMRIを用いて、膝の痛みの原因を評価します。
「膝の内側が痛いけれど、原因がわからない」という方もお気軽にご相談ください。
執筆・監修:小倉誉大 医師
目黒ひざ&形成外科クリニック 院長
整形外科専門医/膝関節外科
膝関節外科を専門とし、変形性膝関節症、半月板損傷、軟骨損傷、スポーツ膝などを診療。米国Harvard Medical School関連施設での留学経験を持ち、保存治療から手術まで幅広い膝治療に携わる。